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バイクのインジケータを自作する(1)

はじめに

最近Kawasakiの250TRというバイクを購入しました。
とても軽量で取り回しがしやすく気に入っているのですが、約20年前の車両であるということや、そもそも新車販売時から低価格帯のバイクだったことからABSはおろかタコメータやシフトインジケータなんかも付いていません。
そこでABSはともかく走行に影響しないインジケータの類なら自作できるのでは?ということで挑戦してみることにしました。

目標

とりあえず、今回作る予定なのは

  • シフトインジケータ
  • タコメータ
  • スピードメータ
  • 電圧計

あたりです。レトロフューチャーみを感じになるようなLEDディジタルメータを目標にします。
スピードメータは既存のものがあるのでなくてもよいのですが、ついでなので。詳しくは後述します。

基本設計

実はシフトポジションを割り出すときに車速やエンジン回転数が必要になるので、スピードメータとタコメータはシフトインジケータのおまけみたいなものです。
車体から取得する必要がある信号は以下の通りです。

これらの信号をマイコン(予定ではArduino Nano EveryやESP-WROOM-32あたり)に入力して処理します。

各信号へのアプローチ

車速パルス

スピードメータにはセンサから車速信号を得る電気式と、車輪に連動して回転するメーターワイヤから車速を得る機械式があります。
TRは機械式を採用しているので、車速パルスを得るためには機械式->電気式の変換アダプタを使うか、車輪に張り付けてその回転速度を拾うタイプのセンサを使う必要があります。今回は前者を採用します。

デイトナ製の変換アダプタ

回転数パルス

次に車速パルスなんですが、基本的にはイグニッションコイルから点火回数を取ることになります。具体的にはコイルの1次側に配線を割り込ませるか、導線を巻き付けたりCTセンサ(≒コイル)を使うことで電磁波ノイズを拾う方法が用いられます。
今回はミスがあったとき走行に問題が出そうな点火系の回路に割り込ませたくなかったり、導線を巻き付けるだけでは安定してノイズを拾えなかったことからCTセンサを使うことにしました。

クランプ式CTセンサ(CTL-6-S32-8F-CL)

ニュートラル信号

ニュートラルスイッチ

配線図を確認すると右下にニュートラルスイッチがあります。ACC電源->ニュートラルランプ->ニュートラルスイッチと接続されていて、ニュートラルのときにスイッチONになりランプが点灯する仕組みのようです。
分岐した先にスタータサーキットリレーなるものがありますが、これはギアが入っている状態ではエンジンを始動させないようにするための安全装置です。(クラッチを握れば始動しますが、詳しくは後述します。)

クラッチ信号

クラッチにもスイッチがついていてスタータサーキットリレーに接続されています。クラッチ配線図ではスタータロックアウトという名前が付いています。純正では安全装置にしか使われないからこんな名前なんでしょうか。 クラッチが繋がっているとここのスイッチが切れて始動出来なくなるようです。

スタータロックアウトスイッチ

で、こちらはニュートラルスイッチと違ってACC電源に接続されていません。なので電圧でスイッチの状態を検出することができません。(強いて言えばセルモーターを回しているときは可能かも知れないが......。) このあたりの検出方法も考えて別の記事にまとめます。

バッテリー電圧

最後に電圧計ですが、これは繋ぐだけで完結するモジュールを使おうかなと考えています。

ディジタル電圧計モジュール

秋月見てたらアナログもありますね。あえてこっちにするのも測定機器感が出て渋いかも......。

アナログ電圧計

おわりに

基本的はこんな感じで進めていきます。マイコンへの入力回路やバイクの配線、設置位置や防水処理など考えることがたくさんですがのんびり進めていけたらなと。